さっきまで大丈夫だったのに、突然肩甲骨辺りに痛みが出た。
昨日までなんでもなかったのに、
朝起きたら突然寝違えたような痛みが現れた。
そんな時、筋肉を痛めているのか、もしかしたら病気なんじゃないかと不安になりますよね。
今回の記事では、左肩甲骨の左側に突然寝違えたような痛みが現れた原因や、
痛みを和らげるために何に気をつけた方が良いのか、痛みが出た時の対処法なども丁寧に解説していきます!
西條 千春
- 鍼灸マッサージ師歴16年以上の女性鍼灸師
- はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師(国家資格保有)
- 4年間プロスポーツチームのメディカルトレーナーとして活動
- 現在は独立し、宮城県富谷市で鍼灸院を開業
突然寝違えたような痛みが現れた原因は『ぎっくり背中』かも!
こんな痛み・症状がある場合は、「ぎっくり背中」の可能性が高いです!
- 寝て起きた時や長い間座って立ち上がる時など、
長時間同じ体勢から急に動き出した時に左の肩甲骨に痛みが出た - 普段から肩こりや腰の張り感があるが、突然左の肩甲骨辺りの部分的な痛みになった
- 最近体を動かす機会が減っていた中、突然ふとした動きで肩甲骨に痛みが出た
- 物を取ろうと腕を伸ばした時に突然肩甲骨に痛みが出た
「ぎっくり背中」とは、
筋肉や筋膜が捻挫や損傷している状態のことです。
筋肉の柔軟性がなくなって硬くなってしまうと、筋肉が伸び縮みできません。
それに気付かずいつものように体を動かそうとすると、
固まっている筋肉に負荷がかかり突然寝違えたような痛みが現れます。
また、筋肉が硬くなることで筋肉と筋肉の間を通っている血管も逃げ場がなくなり圧迫されてしまいます。
つまり、血流も悪くなり酸素が全身に回りにくくなって痛みの物質が現れます。
それが脳に伝わることで痛みを突然感じてしまいます。
痛みが発生した原因は、以下のようなことが考えられます。
- 運動不足や長時間同じ体勢で筋肉が固まってしまい痛みが出た
- 冷えにより筋肉が固まりやすくなってしまい痛みが出た
- 固まっている体をゆっくりではなく、突然動かしてしまい筋肉がついていけずに痛みがでた
上記原因が慢性的になればなるほどリスクは高くなります!
肩甲骨に痛みが出た原因
肩甲骨周りは複数の筋肉が重なり合っているため、
ひとつの筋肉だけが原因ではなく複数の要因が悪循環になります。
例えば、以下のような原因が考えられます。
- 猫背や骨盤の歪み
- ストレスや緊張
猫背や骨盤の歪み
猫背や骨盤の歪み、重心の偏りは筋肉への負担に大きく影響します。
広背筋は腰から上腕まである筋肉。
肩甲骨の下の方にも被ってくるので、腰の張りや痛みがあると肩甲骨の痛みにもつながります。
ストレスや緊張
ストレスや過緊張により呼吸が浅くなります。
そうすると肋骨にくっつく筋肉の動きが悪くなり硬くなります。
胸や脇まわりなど肩甲骨の動きに連動する筋肉の動きが悪くなると肩甲骨の動きも悪くなるという悪循環になります。
体の左側に症状が出た原因
体の左側に痛みや症状が出た原因は、以下のような可能性が考えられます。
- 寝ている姿勢
- 普段の動きの癖
寝ている姿勢
寝ている体勢によって左側に症状が出る場合があります。
特に左下の横向きで寝る場合、肩を前に巻き込んでいると胸の硬さと拮抗して
後ろの肩甲骨まわりの筋肉が引っ張られて硬くなってしまいます。
さらに首まわりの筋肉も影響してきます。
寝ている時は無意識なので中々注意できず、同じ体勢が長時間になるため特に注意です。
また、寝具との相性も重要です。
普段の動きの癖
左の腕をよく使い疲労が溜まっているため筋肉が硬くなるケースがありますが、その反対も考えられます。
それは、右腕をよく使う人は左で物や自分の体重を支える傾向があります。
例えば右利きの場合、料理では包丁や箸など右手をよく使っているイメージが多いですが、
実はボウルや皿を支える、鍋やふたを持ち上げるなど左に重いものを持ったり力を入れたりしていませんか。
さらにどうしても利き手より動きにくいので余計力が入っていませんか。
無意識に腕や肩、肩甲骨に負荷をかけているかもしれません。
体も支え合うしくみになっています。
右の腰に痛みがあると重なり合う筋肉の影響で右側の肩甲骨に痛みが出る人もいれば、
右の腰に痛みがあると左の腕で体を支えるために左の肩甲骨や肩に負担をかけている人もいます。
症状や個人差によって負担をかけて痛みが出る部位が変わってきます。
寝違えたような痛みを治す方法
まずは無理に動かさない。
ゆっくり呼吸をし、すこし安静に過ごしましょう。
痛みが出た後、だんだん痛みが増加したり、だんだん動けなくなるようであれば
炎症が起きている可能性が高いため、その場合は冷やし絶対安静にしましょう。
また、逆に筋肉が冷えて動かなくなる状況もあります。
冷えを感じるようなら温める方が良い場面もあります。
温めるか冷やすか迷う場合は、気持ち良いと感じる方を選びましょう。
反対に、痛みが強くなることがあるので、無理に動かすのはやめましょう。
寝違えたような痛みは自然治癒する?
時間はかかりますが、痛みが減っていくことは多いです。
しかし、痛みがある時間が長いほど慢性化しやすくなってしまいます。
また、そのまま放っておくと根本的な原因解明に至らず、再発の可能性もあります。
病院などで治療する目安・何科に行けば良い?
以下のような症状がある場合は整形外科を受診しましょう。
- 息を吸うと痛みがある
- 痛みがだんだん強くなっていく
- 3〜4日経っても痛みの強さが変わらない
肋骨骨折(ヒビ)など骨に異常はないかや炎症の有無などを診てもらいましょう。
しかし、整形外科へ行っても、骨に異常がない場合は
湿布を処方されるだけで痛みが改善しない…という場合も多々あります。
その場合は、痛みの減少の手助けや痛みの根本的な解決の相談ができる
鍼灸院や整体院での治療がおすすめです。
体の動かし方、正しい姿勢などを指導してくれます。
ぎっくり背中が起こる根本的な原因は、
- 普段の姿勢
- 歩き方や動きの癖
- 負荷の偏り
- 筋肉の柔軟性の低下
- 体の冷え
など、普段の生活や体の癖によって引き起こされている可能性もあります。
当院での治療方法
ちぃずケアでは、寝違えたような痛みが発生した患者様に対して、
以下のような流れで治療を行います。
1.問診・ヒアリング
どのような状況で痛みが発生したのか?普段からコリや違和感があったのか?
ケガや病気の既往歴に加え、普段の生活やご職業など丁寧に問診を行います。
患者様が考えている痛みの原因とは別の原因が隠されている場合があります。
間違ったアプローチをしてしまうと
余計に痛みや症状を悪化させてしまう可能性もあるため、丁寧に問診を行います。
2.適切な施術を行う
ぎっくり背中に対しての治療は、
- 炎症があれば冷やし、逆に冷えて筋肉が固まっている状態であれば温める
- 炎症の有無によって、患部を直接刺激するのか周囲から攻めていくかを相談しながら決めていく
- 鍼やマッサージを組み合わせ刺激量を調整しながら施術
などを行います。
(※問診でお聞きした内容によっては、治療法が異なる可能性もあります)
3.姿勢や体の動かし方の指導
ちぃずケアでは、痛みを和らげることだけではなく、
セルフケアの仕方や普段の体の動かし方、姿勢などもお教えいたします。
姿勢や体の動かし方を意識することで
ぎっくり背中のような痛みを予防することができます。
左肩甲骨に痛みを感じていた患者様の症例
左肩甲骨に痛みを感じ来院された患者様の症例をご紹介します。
症例1:40代女性
朝起きたら、左肩甲骨の痛み。体を捻ったり背中や肩甲骨を動かせない。
最近コロナ禍でテレワークになったため、運動量が激減。
治療1回目
炎症があるため患部をアイシング。
その間、腰やおしり、患部以外の上半身の筋肉を軽めにマッサージ。アイシング後、鍼治療。
軽めのマッサージで整え、再度アイシング。
治療2回目
前回より可動域が広がる。
炎症は落ち着いているため、再度鍼とマッサージで固まっている筋肉を緩める。
治療3回目
だいぶ動きがなめらかに。
マッサージやストレッチで肩甲骨や背中の動きを出していく。
症例2:50代女性
観劇後、立ち上がったら急に左の肩甲骨に痛み。背中を動かせない。
治療
炎症があるか確認のため、直接皮膚を触ったところ患部が特に冷えていた。
まずはホットパックなどで全体を温め、さらに灸で患部を施術。血流を促すため、全体的にマッサージ。
筋肉の動きが良くなり、痛みがとれ背中の動きも良好。
宮城県富谷市、仙台市、近郊にお住まいの方は、
ぜひお気軽にご相談ください!